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猫の異変は気づきにくい!早期発見のポイントや病気の時の症状を紹介

大切な愛猫にいつまでも元気でいてもらうためにも、異変を感じられたら早めに獣医さんに診てもらう必要があります。しかし、これは有名なことですが、猫は異変を隠す習性があります。そのため飼い主は異変に気づいてあげることが非常に難しいのではないでしょうか。

愛猫の異変にできるだけ早く気づいてあげるための方法や、病気になっている時の症状を紹介します。大切な愛猫を守るためにも、ぜひ一読ください。

1. 異変に早く気づくために「愛猫の正常な状態を知っておくこと」

異変に気づくためには、そのものの正常な状態を知っておく必要があります。猫は異変を隠す習性があり、自分の死期が近づいたら飼い主のもとを離れるほどです。そのため、愛猫の正常な状態をしっかり知っておくことで、異変を早めに気づくことができます。

1-1. バイタルチェックを定期的に行い「バイタルサイン」で異常を見つける

バイタルチェックとは「バイタルサインとなる体温・呼吸数・心拍数・血圧などの客観的に観察される数値をチェックすること」です。自宅でも簡単にバイタルチェックを行うことができ、愛猫との触れ合いをかねて、週に1回程度チェックをしてあげてください。

バイタルサインはあくまで体調不良の可能性を表しているもので、病気の診断に用いるものではないので注意しましょう。少しでも異常が見られたら、必ず獣医さんに診てもらってください。

バイタルチェックをする際の注意点を以下にまとめました。注意点を守らなければ、数値に誤差が生まれてしまうため、しっかり確認してください。

・猫と親しい方が行うこと
・猫がリラックスしている時に行うこと
・激しく動いた後は避けること
・室温は暑すぎず寒すぎずの適温にしておくこと
・明らかに異常があったり病気になっている場合は避けること

1-2. バイタルチェックの方法

バイタルサインのチェックの方法として、家庭でもチェックがしやすい「体温・呼吸数・心拍数・血圧」の4つの方法を紹介します。

・体温
1歳を過ぎた成猫の平熱は「37.7~39.2℃」で、子猫の場合は生後1週間で「36.1~37.8℃」と少し低めです。

体温を知る簡単な方法は、「愛猫を抱っこすること」です。いつもと体温が違わないかをチェックします。日ごろから愛猫と触れ合うことにより、体温に関しては異変に気づきやすいでしょう。

・呼吸数
猫の正常な呼吸数は「1分間に20~30回」です。

呼吸数を知る簡単な方法は、「休んでいるときにおなかの上下の動きを見ること」です。30秒間の呼吸数をカウントしましょう。激しく動いた後、浅い眠りに入っているときは呼吸が乱れてることが多いため、穏やかに眠っている時やぼんやりと外を眺めている時にチェックしましょう。

・心拍数
猫の正常な心拍数は「1分間で120~220拍または15秒で30~55拍」です。

猫の心臓は、「左前脚のひじをわき腹にくっつけたあたり」にあります。そこに指先を当てるとわずかですが、心拍数を感じ取ることができます。拍が分かりにくい場合は、「大腿動脈」でチェックしましょう。横に寝転んでいるときに床に接している方の足の、股間から太ももの内側に沿ったところを触れてみましょう。人差し指と中指で触れてみるとわかりやすいしょう。

・血圧
猫の正常な血圧は「収縮期血圧は117~132mmHg未満、拡張期血圧は78~96mmHg未満」です。

自宅でもできる血圧のチェック方法として、まず、愛猫の口を開いて歯茎を指で押しましょう。すると、血液が押し出されて白くなるので、白くなったら指を離します。「血液が戻って歯茎がまた赤くなるまでの時間」を計ります。正常であれば2秒未満で戻りますが、2秒以上かかったら異常がみられるため、獣医さんに診てもらいましょう。

2. こんな症状が出ていたら病気になっているかも

成人の猫がなりやすい病気の症状を紹介します。対策もお伝えしますが、必ずしもその病気になっているとは限らないため、異変が見られたら必ず獣医さんに診てもらい、正しい方法で対策しましょう。

2-1. おしっこが多いまたは出ない・血尿が出ている

このような症状が出ていたら考えられる病気は、「尿石症」「膀胱炎」「尿道閉塞」になります。猫は犬よりも水分補給が少なくても生きられると言われています。そのため、異変が起こってない限りはおしっこが多かったり少なかったりはないため、異変が起こったら早めに診てもらいましょう。

対策としては、飲み水の量を増やしてあげ、ウェットフードも取り入れてあげましょう。しかし、マグネシウムが多く含まれた水は控えましょう。

2-2. 水を多く飲みおしっこをたくさんする・初期はよく食べていたが後期は食欲不振に

このような症状が出ていたら考えられる病気は、「糖尿病」になります。猫はそこまで水分補給しなくても大丈夫な動物ですが、頻繫に水を飲むようなら、異変が起こっている証拠になります。

対策としては、食事のカロリー調整や運動の管理をすることで、肥満を予防しましょう。

2-3. 嘔吐する、食欲不振、痩せる

このような症状が出ていたら考えられる病気は、「慢性腎不全」になります。1日以上エサを食べない場合は異常が起こっている可能性があります。しかし、猫はデリケートな動物で、環境の変化によって食欲不振になったり、エサに飽きた、好ましくないと食べなかったりします。エサが気に入らない時は、においを嗅ぎ鼻をなめる仕草をするため、これを目安として観察するとよいでしょう。

「慢性腎不全」は腎臓が壊れてしまう病気です。壊れてしまった腎臓は元には戻らないため、対策としては、病気の進行を早めないように、健康に努めてあげましょう。

2-4. たくさん食べてるのに痩せる、情緒不安定、急に活発になる

このような症状が出ていたら考えられる病気は、「甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)」になります。発症原因はわかっておらず、有効な予防法がありません。

3つの症状以外にも、「食欲が増加する」「攻撃的になる」「お水を多く飲み、おしっこをたくさんする」という症状も挙げられます。少しでもそのような症状が見られたら、早めに獣医さんに診てもらったほうがよいでしょう。

対策としては、甲状腺ホルモンの分泌を薬で抑えてあげましょう。

3. まとめ

猫はデリケートな動物で、環境の変化やストレスに影響しやすいのに、異変が起こってもそれを隠す習性があります。そのため、その異変を飼い主がいち早く気づいてあげる必要があります。愛猫との触れ合いをかねて、日ごろから身体の状態を見てあげましょう。

愛猫の様子がおかしいと思ったら、すぐに「塩田獣医科病院」へお越しください。迅速に対応し、経済的に負担の少ない治療をご提案し、大切な家族を守ります。