【豆知識】年を取ったペットについて

年を取った犬・猫の飼い方 それぞれの飼い方や注意点を紹介

最初は小さくて可愛かった愛犬・愛猫も年を取るもの。年を取ると、今までの飼い方では逆に負担をかけてしまいます。「まだ若いから」と言っても月日が経つのはあっという間です。今のうちから年を取ったときのことを考えて、飼い方を知っておく必要があります。

こちらでは年を取った犬・猫の飼い方や注意点を紹介していきます。犬・猫を飼っている方は、ぜひ参考にしてください。

1. 老犬といわれるのは「65歳あたり」

犬が「老犬」といわれるのは「65歳あたり」です。一般的に、犬が老犬といわれる年齢、また、寿命は「身体の大きさに反比例」します。たとえば、小型犬・中型犬は「生後11~12年目」、大型犬は「生後8~9年目」が老犬といわれる年齢になります。こちらは一般的な年齢となり、若いときの栄養状態・ストレス状態・病気の有無などで老化とされる年齢は変わってきます。

老犬によくみられる行動として、食欲が低下したり、意味もなく吠えたり、徘徊したりします。いわゆる「ボケ」のような状態・行動が見られるため、それらが増えてきたら老犬になった証拠と言えるでしょう。

2. 老犬の飼い方は「今までの飼い方の1つ1つを見直す」

今までの飼い方だと、老犬にとっては逆に負担になる可能性があり、食事・散歩・トイレなど1つ1つを見直すことが必要になります。

2-1. 食事は「シニア用フード」を

老犬になったら適した栄養を与えることが必要になります。たとえば、「関節の働きを助ける」「免疫力を高める」などがあげられます。そのため、それらの栄養バランスがとれた「シニア用フード」へ切り替えてあげましょう。また、消化器官も弱まるため、消化の良いウェットフードや合成添加物が含まれていない質のよいフードを与えましょう。

フードボウルに関しては、頭と胴体が同じくらいの高さになるように、位置を上げてあげましょう。首への負担が減ることで飲みこみやすくなったり、前足で踏ん張る力が弱まっても食べることができたりします。

2-2. 散歩は「積極的」に

病気やケガなどで散歩を止められていないのであれば、積極的に行きましょう。筋力を維持するためには散歩が欠かせないためです。また散歩は、ストレスを発散し内面的な老化や認知症対策に効果的です。

散歩中に受ける刺激が老化防止によいため、体の負担を考えて距離は短くし、時間は今まで通りと同じくらいとってあげましょう。もし自力で歩けなくなったとしても、カートに乗せて散歩してあげましょう。

2-3. トイレは「おむつすることも考える」

歳を重ねると筋力の低下により、トイレが我慢できなくなるなどの失敗が増えます。特に寝ている間に漏らしてしまうことがあるため、寝床を防水シートで覆ったり、ペット用のおむつを付けたりしましょう。おむつに関しては、寝たきりになってしまったときの予行練習にもなるため、付ける頻度を増やしてみましょう。

2-4. グルーミングは「毎日」

毎日ブラッシングすることにより、皮膚の血行が促進され、新陳代謝が高くなります。新しい細胞も増えていくため、老化を遅らせる効果もあります。シャンプーは自力で立っていられるのなら、月1回ほどしてあげましょう。また、耳掃除や爪の管理も週1回は行ってあげてください。

グルーミングを行ってくれる動物病院もあるため、近くにないか探してみるとよいでしょう。

3. 老猫といわれるのは「60歳から」

猫が「老猫」といわれるのは「60歳から」です。一般的には「生後11~15年目」が老猫とされています。「家の中で飼われている猫」と「中と外を行き来する猫」とでは寿命が違うため、年を取る速さも違います。家の中で飼われている方が寿命が長いといわれています。

「生後11~15年目」が老猫とされていますが、「生後7年目」から身体の衰えが始めるため、7年目を過ぎたころから飼い方を変える必要があります。

猫の老化のサインとして、「あまり動かなくなる」「毛艶がなくなる」「食事が変化する」「トイレのトラブルが増える」「爪が伸びる」「歯が抜ける・口臭がする」になります。

4. 老猫の飼い方は「過ごす環境を変えてあげる」

過ごす環境によっては体調を崩してしまったり、今までできたことができなくなったりします。問題なく快適に過ごすために、環境を変えてあげましょう。

4-1. 室温と湿度を一定に保つ

老猫になると体力が衰え、温度の変化に身体がついていけなくなります。若いころは自分で快適な場所を探して動き回りますが、それができなくなります。そのため、室温と湿度を一定に保ってあげることが必要になります。とくに温度が極端になる、夏と冬の温度と湿度調節には気を配りましょう。

4-2. 安全のため大きな段差を減らす

若いころは、高いところもお手のもので自由自在に動き回りますが、老猫になったらそれができなくなるため、生活する範囲で高い段差があればそれをなくしてあげましょう。たとえば家の階段を使わないとトイレやベッドに行けない状態ならば、同じ部屋の同じ高さにおいてあげたり、お気に入りのソファーがあったけど上がりにくくなっていたら、階段状に登れるようなものを置いてあげたりなどです。

4-3. 柱・角・出っ張りなどの障害物の対策

老猫になるとバランス感覚も鈍るため、柱や角にぶつかったり、出っ張りを避けられなくなったりします。そのため、柱など移動できないものは、その周りに猫の生活で必要な物を置かない、角や出っ張りにはクッション材を付けてあげましょう。

4-4. コードや植物などの危険なものは目立たないように

こちらは若いころもそうかもしれませんが、コードはむき出しになっていると引っかかりケガの原因となります。壁に沿わせて止めたり、隠したりしましょう。また植物も落としてケガをしないようにするために、高いところにおきましょう。さらに植物を食べてしまったら中毒におかされる可能性があるため、できる限り置かないことも考えましょう。

5. まとめ

子犬・子猫を飼っているときは、気をつかったことが多かったでしょう。しかし、老犬・老猫になってからのほうが、気をつかってあげる必要が多くなります。人間もそうですが、身体の自由がきかなくなるのは大変なことです。犬・猫が自ら気をつかうことは難しいため、飼い主がしっかり気をつかって面倒をみてあげてください。

年を取ってくると身体の不調が出やすくなります。少しでも様子がおかしいと思ったら、すぐに「塩田獣医科病院」へお越しください。大切な家族をお守りいたします。