コンテンツ

犬の異変に気づくためのポイント 病気の時に表れる症状を解説

もし愛犬が病気になってしまったら、人間と同じく早期発見することが大切です。そのために、病気になっている証拠となる「愛犬の異変」に、飼い主はいち早く気づいてあげなければなりません。

しかし、その異変にどういったものが挙げられるのか、わからない方は意外と多いのではないでしょうか。

今回は愛犬の異変に早く気づくための方法や、病気になっている時に表れる症状を解説します。愛犬を守るためにも、ぜひ一読ください。

1. 異変に早く気づくためには「愛犬の正常な状態を知っておくこと」

生き物も身の回りの物も正常な状態を知っていなければ、異変に気づくことはできません。特に動物は異変をあまり表に出さないため、飼い主はそれを見つけにくいものです。そのため、正常な状態をしっかり知っておくことで、その異変を早めに気づくことができるでしょう。

1-1. バイタルチェックを定期的に行い「バイタルサイン」で異常を見つける

バイタルチェックとは「バイタルサインとなる体温・呼吸数・心拍数・血圧などの客観的に観察される数値をチェックすること」です。自宅でも簡単にバイタルチェックを行うことができ、愛犬との触れ合いもかねて、週に1回はチェックをしてあげましょう。バイタルサインはあくまで体調不良の可能性を表しているもので、病気の診断に用いるものではないことを頭に入れておきましょう。少しでも異変が見られたら、必ず獣医さんに診てもらいましょう。

バイタルチェックをする際の注意点を以下にまとめたので、チェックしておきましょう。注意点を守らなければ、数値に誤差が生まれてしまうため、しっかり確認してください。

・犬と親しい方が行うこと
・犬がリラックスしている時に行うこと
・散歩などの運動後は避けること
・室温は暑すぎず寒すぎずの適温にしておくこと
・明らかに異変があったり病気になったりしている場合は避けること

1-2. バイタルチェックの方法

バイタルサインのチェックの方法として、家庭でもチェックがしやすい「体温・呼吸数・心拍数・血圧」の4つの方法を紹介します。

・体温
成犬の平熱は「37.5~39.2℃」で、子犬の場合は「35.6~36.1℃」と少し低めです。

体温を知る簡単な方法は、「愛犬を抱っこすること」です。いつもより熱を持っていないか、逆に温かさを感じられないかをチェックします。日ごろから愛犬と触れ合うことにより、体温に関しては異変に気づきやすいでしょう。

・呼吸数
犬の正常な呼吸数は「1分間に10~35回」です。

呼吸数を知る簡単な方法は、「休んでいるときにおなかの上下の動きを見ること」です。30秒間の呼吸数をカウントしましょう。散歩や運動の直後、浅い眠りに入っているときは呼吸が乱れてることが多いため、穏やかに眠っている時にチェックしてください。

・心拍数
犬の正常な心拍数は「1分間で60~140拍または15秒で15~35拍」です。

犬の心臓は、「左前脚のひじをわき腹にくっつけたあたり」にあります。これはだいたいの場所になり、犬の大きさによっては当てはまらない場合があります。事前に心臓の場所を把握しておきましょう。心臓に手を当てて感じ取ることができたら、カウントしましょう。

・血圧
犬の正常な血圧は「収縮期血圧は180mmHg未満、拡張期血圧は120mmHg未満」です。犬種によってばらつきがあるため、あくまで目安にしてください。

自宅でもできる血圧のチェック方法として、まず、愛犬の口を開いて歯茎を指で押しましょう。すると、血液が押し出されて白くなるので、白くなったら指を離します。「血液が戻って歯茎がまた赤くなるまでの時間」を計ります。正常であれば2秒未満で戻りますが、2秒以上かかったら異常がみられるため、獣医さんに診てもらいましょう。

2. こんな症状を見つけたら病院へ!症状別に当てはまる病気を紹介

もしもこれから紹介する症状が愛犬に見られたら、早めに獣医さんに診てもらいましょう。表れる症状によって、当てはまる病気がいくつかあるため、目安として覚えておくとよいでしょう。いくつかある症状のうち、4つをピックアップして紹介します。

2-1. 耳をしきりに掻く・耳垢が多い・耳から悪臭がする

このような症状が表れた時に考えられる病気は、「外耳炎」「耳ダニ感染症」「耳血腫」などです。特に「外耳炎」は犬種、年齢問わずで、犬がなりやすい病気です。

耳垢はたまると細菌や寄生虫に感染してしまい、炎症を起こす可能性があるため、定期的にお手入れしてあげましょう。

2-2. 身体を痒がる・フケが出る・皮膚が赤い

このような症状が表れた時に考えられる病気は、「ツメダニ症」「脂漏症」「皮膚炎」などです。「皮膚炎」は「外耳炎」の次になりやすい病気とされています。

原因は寄生虫や細菌などから、ストレスや毛玉のひきつれなどがありますが、過剰なシャンプーによってもなる可能性があります。

2-3. 嘔吐をする・下痢をする・食欲がない

このような症状が表れた時に考えられる病気は、「肝炎」「子宮蓄膿症」「レプトスピラ症」などです。これらの症状から考えられる病気はたくさんあるため、何にかかってしまっているかは自身で判断することは難しいでしょう。

嘔吐に関しては、嘔吐後でも食欲がある場合は問題になる可能性が低いですが、連続で吐いたり、血が混じっていたり、便のにおいがしたりしたら、早めに獣医さんに診てもらいましょう。

2-4. 歩き方がおかしい・触ると痛がる・元気がない

このような症状が表れた時に考えられる病気は、「椎間板ヘルニア」「白内障」「脳腫瘍」などです。特に多いのは外傷による痛み、骨や関節の異常などが原因です。足を触ったり観察したりすることで、異常に気づくことができます。

また、歩き方によっては病気を特定できる場合もあるため、普段から歩き方を観察しておきましょう。

3. まとめ

愛犬の異常を早めに気づいてあげるには、日ごろの体調チェックや行動を観察しておくことが必要です。日ごろから行うことにより、異変に気づきやすくなります。愛犬との触れ合いもかねて、身体を見てあげましょう。

愛犬の様子がおかしいと思ったら、すぐに「塩田獣医科病院」へお越しください。迅速に対応し、大切な家族の健康をお守りいたします。