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犬と猫のしつけは大変!それぞれのしつけの仕方を徹底解説

犬や猫を飼い始めたら「しつけ」をしなければなりません。それは人間と動物が共に幸せな共同生活を送るためでもあります。しかし、「しつけ」はそう簡単にいかないのが現実です。今回は犬と猫、それぞれのしつけの仕方を徹底解説します。しつけにお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

1. 犬のしつけは「子犬のころから」

犬にしつけをする大きな目的は「人間の生活の中で暮らせるようにする」「異文化コミュニケーションを成立させる」の2つです。人と犬は違う生物で、習性や考え方など共通する部分もあるにはありますが、違うところももちろんたくさんあります。その違うところを埋めるために、そして人間の生活の中でのルールを守ってもらうために共有し、教えてあげる必要があります。

人と同じで、犬も自らの経験からたくさんのことを学び、覚えていきます。そのため、「子犬を迎え入れたその日」からしつけが始まります。

1-1. 人間社会のルールを守れる犬とは

人間社会のルールを守れる犬とはどんな犬でしょうか。ルールを守れなければ、犬自身、飼い主自身も困ることが多くなってしまいます。しつけを通してルールを守れる犬を目指しましょう。

・ ボディケアを嫌がらない
人がマナーとして身だしなみを整えるのと同じように、犬も清潔に保つことは大切なマナーと言えます。汚れた姿を見たら、人は不快に感じてしまうでしょう。また、不衛生なままだと病気になってしまう可能性もあります。そのため、日ごろのボディケアを嫌がってしまっては、のちのち困ることが多くなってしまうでしょう。

・人のことが好き
犬にも性格があり、一匹一匹それぞれ違うでしょう。そのため、すべての犬が陽気で社交的とは限りません。しかし、攻撃的な犬になってしまうと、来客や通行人を威嚇したり、飛びかかったりしてしまい、トラブルになってしまう可能性があります。

・人間社会のルールに慣れている
基本的に家の中にいるため、家族だけのルールを守っていればよいでしょう。しかし外に出れば社会のルールに従う必要が出てきます。子犬のうちから社会勉強として積極的に外に出なければ、騒音やサイレン、自動車などあらゆる刺激に対して不安や驚きを感じ、パニックを起こすこともあります。

1-2. 基本的な5つの犬のしつけ

基本的な5つのしつけを紹介します。子犬は好奇心旺盛な性格のため、たくさん褒めて楽しく遊びながらしつけをするとよいでしょう。

・ アイコンタクト
意思疎通をするために必要不可欠です。アイコンタクトができていなければ、飼い主の意思が伝わりにくく、しつけがうまくいきません。必要に応じて飼い主に注意を向けることで、しつけをしやすくなります。

ポイントは目が合った時に必ずほめること。嬉しい体験をすることにより、再びほめられるように積極的に行動するようになります。

・トイレ
決められた場所で排泄できない犬のトイレのしつけは、1番の難題と言っても過言ではありません。しかし、室内で飼うのならトイレのしつけは必要です。トイレの場所を覚えさせるように、段階的に少しずつ練習させていきましょう。

・身体を飼い主に委ねる
飼い主に抵抗することなく、身を委ねることができるようにしつける必要があります。なぜなら、歯磨き・耳掃除・爪切りなどのケアするときに抵抗されては何もできないからです。日々の触れ合いから、ケアをするためのスキンシップをはかっておきましょう。

・クレートに入れる
お出かけするときや病院に連れていくときに便利なクレートですが、たとえば、病院のときだけクレートに入れていたら、マイナスイメージをもってしまいます。クレートを嫌がれてしまうと、のちのち困ることがあるため、クレートに入れるしつけをしましょう。ポイントは楽しいことや嬉しいことと連動させることです。

・社会の訓練をする
家の中だけで過ごしてしまっては、外の社会を知ることができません。知らない人や音に触れれば怖がってしまい、場合によっては攻撃的にもなるでしょう。逆に言えばそれらを知ることができたのなら、警戒することもなくなるため、攻撃的な態度にはなりません。

散歩がとても有効的です。身近なことからでも構いませんので、少しずつ社会に慣らしていきましょう。

2. 猫は「一匹狼」と思ってしつけしよう

猫は単独行動をとる動物で、すべての行動は自らの判断で動き、1匹でマイペースに生きます。また、自分以外との関係は、絶対的な位置づけや服従性がありません。そのため、「何かに従う」という行動基準はなく、飼い主に従うことで喜びや安心などを感じることはないため、犬より猫の方がしつけが難しいと言われています。

子猫のうちはお母さんを信じ込んで従う習性があるため、子猫のうちにしつけするとうまくいきやすいです。大人になったあともしつけをできないわけではありませんが、子猫のときと比べると苦労することが多いでしょう。

2-1. 猫のしつけのポイントは「危険と防止」

「やってしまったことに対して叱る」という一般的なしつけ方法は、猫には通じません。猫は本能に従って行動しているだけで、困らせようと行動しているわけではないため、何で怒られているかわからないものです。そのため、方法としては「してしまいそうなことを未然に防ぐ」「同じことをすると危険だと感じさせるようにする」ことで、学習していきます。

「してしまいそうなことを未然に防ぐ」に関しては、たとえば以下のようなことが考えられます。
・テーブルや机に登ってイタズラをするなら、物を置かないようにする
・噛まれると困る物は手の届かない場所に置くか、しまっておく。
・入られては困る部屋はカギをかけておく  など

「同じことをすると危険だと感じさせるようにする」に関しては、たとえば以下のようなことが考えられます。
・近づくと大きな音が鳴る
・スプレーなどで水をかける
・ネズミ捕りを上下逆にしたものを置く など

しつけのときに大切なのは、「終始一貫した態度でしつけする」です。猫はマイペースな性格で、すぐに忘れがちなため、「時には良くて、時にはダメ」というその時の都合でしつけしても意味がありません。ルールをしっかり決めて、そのルールに従ってしつけしていきましょう。

2-2. 「体罰」は絶対にやってはいけない

猫は一匹狼な性格ですが、臆病でデリケートな動物です。そのため、体罰を受けると恐怖・不安・反発などで、飼い主に対し不信感が生まれてしまいます。また猫は体が小さいためケガや骨折をしてしまう可能性もあります。

叱る時は以下の方法をやると効果があります。
・薄くて軽い雑誌や新聞を投げる
・両手でパンと音を立てる
・「ダメ」「コラ」を言ったり、猫のケンカの時に出す「フー」に近い声を出したりする
・アルミ缶に1~2個小石を入れて転がす  など

2-3. ムチだけでなくアメもあげよう

猫は犬とは違って「ほめて育てる」ということは通じません。だからといって、アメとムチの「ムチ」だけでしつけをしてしまっては、不快感だけを与え続けていることになります。そのため、アメという名のほめるではなく「ごほうび」を与えてあげましょう。

ごほうびを与えるタイミングとしては「正しい行動ができたときに与える」です。逆の「間違った行動を取ったときに取り去る」という方法も効果的です。

猫へのごほうびの例は以下があります。
・なでてあげる
・エサ、おやつをあげる
・遊んであげる
・グルーミングをする  など

3. まとめ

犬のしつけのポイントは「人間の社会で暮らすためにさまざまことを教え、覚えてもらう」、猫のしつけのポイントは「あれもこれもと教えるより、その行動が正しいと覚えてもらう」ことです。犬のしつけと、猫のしつけの方法には大きな違いがあるため、それぞれに合ったしつけをしましょう。

「塩田獣医科病院」では、しつけ教室を行っています。犬・猫に関してお悩みのことがあれば、ぜひご相談ください。